NHKのクローズアップ現代にて「謎のミツバチ大量死」が報道されました 

2006年に米国で蜂群崩壊症候群(Colonny Collapse Disorder, CCD)が報告されてから毎年のように世界各地でCCDが報告されるようになり7年目。やっと一歩踏み出した対応がとられることとなりました。

 

2013年1月に欧州食品安全機関(EFSA)がネオニコチノイド系農薬3種類(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の使用停止(モラトリアム)提案し、欧州委員会が2013年5月24日、2013年12月から原則的に2年間使用禁止することを決定しました。

 

この決定の背景にはミツバチが人口60億を突破した地球の食を支えるポリネーション(花粉交配)支えていることがあります。近代の大規模な食品栽培施設内では、毎年多くのミツバチがその勤勉な働きによってポリネーションを行っていますが、そこで農薬の被害に晒されているのです。また農薬の散布時に近くを飛行することで、農薬を使用した農作物から蜜や花粉・朝露を集めることで、地面・地下水を介して他の植物に吸収された植物をエサにすることなどで農薬の被害にあうと考えられています。

 

ミツバチが大量死する原因は農薬以外にも複合的な理由(長年養蜂家を悩ませてきたダニを駆逐するために使用される殺虫剤、細菌の被害、大規模農業のポリネーション時の栄養不足・過密人口によるストレス・過労、異常気象、電磁波など)が考えられていますが、昆虫に記憶喪失・方向感覚の喪失・食欲減退・免疫系の崩壊などの障害を引き起こすというネオニコチノイド系農薬の影響は無視できません。

 

約3500万年前から存在し、その勤勉かつ組織的な働きを忠実に守り、一匹の働き蜂の寿命がわずか40日程度という制限がある中で脈々と命をつないできた生命力の強いミツバチが死ぬということは、ただ事ではないという危機意識を持つ必要があります。世界の主要農産物115品目のうち、87品目もが果実や種子の収穫を自然な受粉(ミツバチによる受粉)に依存していると言われています。異常気象や温暖化の影響で食料危機が叫ばれる中、ミツバチが壊滅的な被害を受けている昨今、このままミツバチを守る努力を怠った場合に起きることは、更なる食料危機以外の何物でもないでしょう。

 

ミツバチと人間との関わりは古代エジプト時代ごろから始まった養蜂からと考えられていますが、それでもせいぜい4600年、3500万年前からの彼らの歴史から考えればほんの短い付き合いです。1770年代から始まった産業革命後、電気・石油による重化学工業、原子力エネルギーによる工業化とともに公害・環境破壊・健康被害が広がり、1938年に開発されたDDTに始まる近代農薬が農業を根本から変えてきました。こうしてみると近代的な社会が出来てからまだ240年しかたちませんが、私達はこれほどの短期間でどれほど生態系や環境を破壊をしてしまったのでしょう。天候に影響が出るぐらい?動植物が絶滅するぐらい?水が安心して飲めなくなるくらい?大気汚染がひどくてマスク無しでは外出できないくらい?ミツバチが姿を消し、野菜や果物、ナッツが食べられなくなるぐらい?

 

蜂蜜、花粉、ロイヤルゼリー、ミツロウ、プロポリスなど、私達はミツバチから数多くの貴重な資源を分け与えてもらっていますが、これらもミツバチがいなくなってしまったら、全て一緒に無くなってしまうのです。

 

日本でもCCDが多数報告される中、9月12日のNHKのクローズアップ現代で「謎のミツバチ大量死ーEU農薬規制の波紋」が放映されました。

安全な自然・環境を未来の世代へと繋いでいくために、利潤や経済を優先にして立ち止まらず、今出来ることを着実に行う勇気をEUの姿勢から学びたいですね。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3401.html

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コメント: 2
  • #1

    Arnette Theiss (水曜日, 01 2月 2017 23:54)


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